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波紋広がる 米子市の中学校給食の全校実施へ

波紋広がる 米子市の中学校給食の全校実施へ

 長年実現しなかった米子市の中学校給食をめぐり、野坂康夫市長が2015年4月までに実施する考えを表明したことが、波紋を広げている。厳しい財政状況を理由に、消極的な発言を繰り返してきたが、姿勢は一転しても財政負担など多くの課題が未解決のためだ。保護者らは歓迎する半面、調理方法の行方にやきもき。議会内では説明責任を求める声が上がっている。

 9日の市議会本会議。遠藤通議員(一院クラブ)が「予算の裏付けがない」とかみついた。取材に対し「財政は好転どころか悪化しているのに、手を返した突然の判断。次期市長選への布石としか考えられない」と指摘する。

 定例議会では、毎回のように中学校給食が議論され、野坂市長はそのたびに「財政状況を勘案」と同じ答弁。伊藤ひろえ議員(よなご会議)には「市民にあきらめムードが漂っていた」と映る。

 多くの市議は方向転換を評価するが、政治姿勢に不満も。岡村英治議員(共産党)は「これまでの発言は何だったのか。財政がどう変わった上での判断か。納得がいく説明を」と訴える。
白紙状態

 米子市の中学校給食は20年以上前から検討され、紆余曲折を経て、市政の優先課題から外された経緯がある。県内では、米子、境港両市が実施していないが、境港市はすでに給食センターの建設方針を掲げている。

 調理方法は▽自校方式(学校ごとに調理場を設置)▽全中学校の給食を作るセンターの建設▽4~5校の給食を作る共同調理場を2カ所に整備―のいずれかだが、市は「白紙状態」(北尾慶治教育長)としている。

 ただ、保護者らが要望してきた自校方式では、市内11中学校のうち5~6校は整備する敷地がなく、年間運営費はセンターと比べて約2倍。角博明副市長は「なかなか飛びつけない」との見方だ。

 市はセンター建設を有力候補に挙げるが、それでも建設費は10億円以上、年間運営費は1~2億円に上る試算で、用地も取得しなければならない。

 財源をめぐっては、元利償還の7割を国が負担する合併特例債を活用。国の交付金に加え、市債(借金)も充てるというが、予算の精査はこれからで、東日本大震災で交付金が得られるかも不透明だ。

 9月までに財源や調理方法を決める予定。角副市長は「市政すべての事務事業を見直して財源を絞り出さなければ」と話している。
安全対策徹底を

 文科省によると、公私立中学校の給食実施率は09年度で85・5%。学校給食の目的を「食育の推進」に転換した改正学校給食法が09年4月に施行され、実施の動きが広がっているという。

 ニーズは高く、市教委が04年に実施した調査では、9割以上の保護者が学校給食を「必要」と回答している。

 かつて市民有志による「中学校給食を実現する会」が活動していた。代表世話人だった高橋素子さん(58)は「やっとの思い」と喜ぶ半面、自校方式の導入を要望。「子どもの育成のため目の前に作り手が見えた方がいいし、地域の地産地消にもよりつながる。お金だけの問題で片付けてはいけない」

 一方、市内の小学校給食では、昨年から異物混入が相次いで判明。市小中PTA連合会の山口一樹会長(49)は「不公平感が解消されるのでありがたいが、施設整備と併せて安全対策もしっかり検討してほしい」と願う。

日本海新聞 6月11日

つい最近出た記事では、「米子市中学校給食全校実施へ」という感じの記事だったと思うが、わずか数日でまったく反対の書き方だ。
あえてこの記事を取り上げたのは、今の給食の事情がとてもよく研究されて書かれているから。ここまでよく研究された記事はおそらく初めてではないか。ま、ある意味タブーだった、と言ってもいいかもしれないが。

まず、中学校給食が実施されていない自治体において、実施されない理由は財政が問題なのは言うまでもない。しかしながら全国で80%という実施率を考えた場合、なかなかそれだけが理由で実施しない。とは言いにくい。それで、「家庭からの弁当が親子の絆を築く」などと理由をつて、実施を遠ざけたがる。
しかしながら、最近になって中学校給食を始められた自治体は、合併に伴う債務が認められて、それを利用して実現したケースが多い。

自校方式やセンタ-の建設と書いてあるやり方についても、問題は記事に書いてある通りである。
また記者もどこからこの情報をつかんだのかわからないが、「東日本大震災で交付金が得られるかどうかも不透明だ」とある。実際、補助金が出なくなり入札が無期限で延期になったケースが最近チラホラ聞かれる。
要は金がない。土地がない。補助金がない。なのである。

最後に安全対策の要求であるが、やはり安全面。給食という目的からすると自校方式がどこまでいっても理想なのであり、できるならそうすべきだ。しかしながら自治体が抱える諸処の問題から、そうそう理想通りとまではいかない。
要は、現実をきちんと整理し、実現性のある給食を早く提供することが大切なのだろう。

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